一年ほど前にお引き渡しさせてもらったお施主様宅にて。 リビングには子供が生まれる前から使っていたというソファ。その肘掛には、幼かった子が貼ってしまっただろうシールがそのまま残っていました。「またこんなとこ貼って…お母さん!こんなとこ貼っちゃったけどどうする?」「うまく剥がせなそうだね…。まーいいとしよう。」……そんななんでもない夫婦の会話を想像してしまいました。「跡」は見るたびにその一瞬を呼び起こさせてくれるものだと思います。このシールも、今となっては尊い跡なのではないでしょうか。今は出来たての住まいや家具も、沢山の「跡」とともに、何にも変えることができない、一つだけの「家族の風景」を築いていってもらえたら幸いです。
byH.Muramatsu